福屋ホールディングス(大阪市、枇榔巧社長)は、売買仲介の不動産部門と建設部門のワンストップ展開を強みにリフォーム事業を強化する。昨年9月に試験的にスタートした住宅プレゼンシステム「ALTA」を本格稼働する。
関西を中心に新築からリノベーション、リフォーム事業を手掛ける福屋工務店が、グループで売買仲介の福屋不動産販売と連携して新築・リフォーム後のライフスタイルを描きやすいよう3D画像で住まいを提案する。建築関連コンピュータソフトウェアのコンピュータシステム研究所(東京都新宿区)の技術を活用し、イメージしながら物件選びができる「すぐ見せますプロジェクト」として展開する。
パソコンやタブレットの端末上の簡易操作で間取りプランから壁や設備、インテリアといった部材とその色合いの変更を自在にできるのが特徴だ。概算費用もその場で算出し、消費者の購入予算に合わせてのプランを作る。
同社では、「これまでは、商談までに図面を作成するなどで時間を要していたが、このシステムを導入したことで日数のかかるプラン作成や変更であっても、すぐに間取りプランとともに完成イメージパースまで仕上がる。物件を選びながら提案でき、商談のスピード感がアップする」と話す。立体パースは30~60分での提示が可能だといい、営業段階に常に2~3パターンの提案を用意できる。
ALTAの本格稼働により、売買仲介・リフォームなどの成約件数を大幅に伸ばしたい考え。試験的にスタートしたところ、1年前との比較でリフォーム件数は今年2月の単月ベース3割増加した。大阪圏の足元の市況感も好調。ALTAの利用も毎月100件を超えるペースで推移していることで通年でも同様以上に業績アップが期待できると見込んでいる。
今後は、作成した間取りプランや完成パースを体感できる「仮想現実(VR)内覧」を今春以降にスタートする予定だ。成約件数を上げるため買い取り再販を対象にホームステージングも検討する。