東京カンテイがヴィンテージマンションの中古流通価格を調べたところ、平均坪単価が高い上位30位はすべてが東京都心部とその周辺の行政区に所在していることがわかった。2013~15年の流通事例を調査し、1位は05年8月竣工の「三番町パークテラス桜苑」の坪988万円だった。新築時の456万円の2倍強に達する。2位は「パークマンション千鳥ヶ淵」(04年6月竣工)の974万円、3位が「パークコート三番町」(04年11月竣工)の773.3万円となって千代田区がトップ3を占めた。4~7位は港区の物件が連なる。
前回調査の09年9月末データでは「青山北町パークマンション」(1998年3月竣工)の718.4万円がトップだった。三番町パークテラス桜苑は、ミニバブルの余韻が残る当時のヴィンテージ最高価格を追い抜いた。市場調査部の井出武・上席主任研究員は、「東京オリンピックやインバウンドといった要因が価格をつり上げている」と話す。新築マンション供給が抑制気味の中で、中古を物色する動きも影響しているという。
特に港区は15物件のヴィンテージマンションが存在し、渋谷区(6物件)と千代田区(6物件)が続いた。千代田・港・渋谷を合わせたシェアは90%(27物件)とヴィンテージの都心集中が進むとともに立地に依拠することがあらためて浮き彫りとなった。
同社では、昨年12月31日時点で築10年以上が経過し専有面積が100平方㍍前後のマンションからの流通事例の90%以上が坪300万円以上であることなどを条件としている。