中古住宅の流通促進・活用策を検討していた国土交通省の研究会(座長=中城康彦・明海大学不動産学部教授)は21日、報告書をまとめた。建物評価手法の抜本的な改善、ホーム・インスペクションや中古住宅の瑕疵保険の普及、不動産事業者や金融機関でつくる円卓会議の創設など多様な施策を実現するよう提言している。
報告書では、築20~25年で建物価値をゼロと見なす慣習が不動産市場、金融市場双方で常態化していることが住宅資産額の積み上げにつながっていないと指摘。経年によって一律に減価する従来の原価法を抜本的に改善し、実務への浸透を図ることが重要だとした。
具体的には、建物の再調達原価を科目別(スケルトン・インフィル)に分けた上で、科目別に期待耐用年数を算出するといったように原価法の精緻化を図る。併せて、リフォームの担保評価を適正に算出するための評価手法を整備する必要性にも触れた。