三菱地所は、シンガポールのサーバナ社と共同で、中国四川省成都市で約3400戸の住宅を開発する。SPCを通してエクイティ総額の30%を出資し、実需層向けのマンションを供給する。12年末にも着工する。
成都市は、沿岸部に比べて発展が遅れている内陸部の成長を目指す中国政府が進める西部大開発の拠点の一つ。共同開発するのは市中心部から南東約15キロの龍泉駅区に位置する約7万5000平方メートル。中心部へアクセスする地下鉄の開業や、ホテル・商業・医療機関などの誘致予定もあり住宅地としての成熟が見込まれているという。
サーバナ社はシンガポール政府系投資会社テマセクが60%出資する不動産デベロッパーで、中国では03年以降に複数の大規模プロジェクトを手掛けている。実需層をターゲットに緑や水、オープンスペースを取り入れたランドスケープデザインを行い、併せて商業施設や教育機関を誘致して付加価値を高める手法を得意とし、今回のプロジェクトも同様の手法を採用する。
三菱地所にとっての中国事業は、瀋陽アウトレットなどに次いで4弾目。今後も欧米での不動産開発・賃貸事業に加えてアジアでの事業を進める考えで、サーバナ社とは長期的なパートナーシップの構築を図る。