東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が6月11日に発表した首都圏の5月の流通市場動向によると、中古マンションの成約価格が2カ月連続で下落し、中古戸建住宅も成約価格が5カ月ぶりに下落した。ただ土地価格は大幅に上昇している。
中古マンションの成約数は2353件となり、東日本大震災のあった前年同月比で4.5%増えたものの、一昨年5月比では6.7%減少している。都県別では神奈川県が3カ月ぶりに前年同月を下回った。首都圏の1平方メートル当たりの成約単価は37.64万円(前年同月比3.2%下落、前月比2.0%下落)で、平均の成約価格は2499万円(同3.2%下落、同2.8%下落)だった。新規の登録件数は、前年同月に比べて4.7%増えて1万4859件と26カ月連続で前年同月を上回った。ただ増加率は大幅に縮小しており、新規登録でも価格が再び下落傾向にある。
中古戸建ての成約数は前年同月比6.2%増加の904件だった。10年5月比では1.6%減った。都県別で見ると埼玉県のみ前年を下回った。平均の成約価格は2879万円(前年同月比4.1%下落、前月比4.1%下落)と5カ月ぶりに落ち込んだ。新規登録は前年同月に比べて6.4%増えて5438件と14カ月連続で前年同月を上回ったものの増加率は縮小。価格は大きく落ち込んでいる。
土地取引は、成約数が442件(前年同月比3.8%増)と10カ月連続で前年同月を上回った。東京都と埼玉県が増加、千葉・神奈川の両県が減少した。土地の成約価格は、単価が前月比9.7%、平均価格が同11.7%とともに大幅上昇となった。