都心のビル空室率「03年問題」以来の7・16%に悪化/三幸エステート調べ

 三幸エステートが5月末時点で調べた東京都心5区の大規模ビル(基準階面積200坪以上)の空室率は前月を0・43ポイント上回る7・16%に悪化した。

 千代田区で大型の「JPタワー」が空室を残して竣工したことが響いた。7・1%台の空室率は03年問題の影響が色濃かった04年2月以来。需給悪化の要因となっている今年の大量供給はピークを越えつつあるものの、新築ビルに移転した後の既存ビルで発生する2次空室の埋まり方次第では、さらに空室率が上昇する可能性もあると見ている。

 坪当たりの募集賃料は2万713円で前月比83円上昇した。賃料上昇は4カ月連続。賃料を引き下げたビルの空室は消化に向かう一方、割高なビルが市場に滞留していることが賃料を押し上げている。


公開日: 2012年6月7日