流通近代化センター/研究会報告、時代要請に基づいたサービス鍵

 不動産流通近代化センターは4月2日、昨年6月から6回にわたって議論を重ねた「これからの不動産業を考える研究会」の報告書をまとめた。社会経済環境の変化を踏まえ、中小不動産会社に焦点を当てたもので、「顧客満足度の向上」と「持続可能な経営」の両立が必要だとしている。

 現状として、地域への密着しやすさや、きめ細かなサービス提供、事業コストの安さを強みに挙げる一方、事業の多角化の難しさや情報量・物件量の乏しさ、後継者を含めた人材確保といった点があらためて弱みだとした。

 その上で経営基盤の確立について、従業員の満足度を高めるために教育の充実や給与体系とトラブル対応などで支援の充実が必要としたほか、消費者への情報発信力の強化と企業コンプライアンスの徹底も挙げた。

 事業展開の方向性では、①顧客密着②地域密着③新たな市場へのアプローチ――の3点を挙げた。①は消費者への的確情報提供とコンサルティングの実施②は空地・空き家、高齢者見守りといったサービス提供や災害時の住宅支援など③では高齢者の資産活用や住み替え、リフォーム、外国人対応などの成長分野。加えて、ペットが飼えたり、楽器演奏ができる住宅やシェアハウスといったニッチ市場への切り込み――などに着眼した。

 アンケートでは最も注力したい業務として「売買仲介」が38%で最多となり、次いで「賃貸管理(居住用)」(17%)だった。ヒアリングでは「他社との差別化」「他業種・専門家・同業者との連携」などが共通の戦略キーワードだった。


公開日: 2012年4月4日