新日鉄都市開発など/神宮前の建て替え220戸、坪400万円超

 新日鉄都市開発、三井物産、NTT都市開発は3月10日から、分譲マンション「ザ・神宮前レジデンス」(総戸数220戸)のギャラリーをオープンし、15日から1期販売の登録受け付けを開始する。新日鉄都市が得意とする建て替え事業で、1957年に旧日本住宅公団(現・都市再生機構)が地上4~5階建ての6棟構成で開発した原宿団地(同112戸)を地上18階、地下2階のマンションにする。220戸のうち72戸は地権者住戸になる。

 2011年3月にマンション建替え円滑化法に基づいた権利変換計画が都から認可を受け、同年5月から着工しているもので、来年4月に竣工する予定。総合設計制度により周辺エリアで随一の60メートルの高さを実現。建物はタワーサイドとレジデンスサイドと呼ばれる2つのゾーンで構成する。場所は渋谷区神宮前3丁目で、地下鉄の外苑前駅徒歩7分。同エリアでのマンション供給は約9年ぶり。

 住宅プランは1LDK~3LDK(50~128平方メートル)。価格は6000万円台~2億1000万円台で、中心が1億2000万円台を予定している。億ションが4割を占めており、坪平均400万円台半ばの高額物件だが、昨年12月からの事前反響は、資料請求など問い合わせが約2500件、来場者数は約500組に上る。渋谷区と港区で来場者の半数を占め、年齢層は30代から60代までまんべんない。「不動産価格が割安な時期に立地の希少性に着目した富裕層が反応している」(新日鉄都市開発)ようだ。

 表参道や青山、外苑といったエリアのブランド力と高台立地に加えて各階に備蓄倉庫を備えて全世帯3日分の飲料水と食料を確保する安心感も提供する。全階への備蓄倉庫設置は震災前の設計段階から決めていたという。震災を受け竹中工務店の独自特許技術である「波形鋼板壁」を採用した制震工法の評価も高い。

 東日本大震災に伴い住まいに対する不安が増したなか、新日鉄都市の取締役で住宅事業部長の林英二郎氏は、「こうした不安に対処する調整力の高さがマンション建て替え実績で業界トップを走っている」と建て替えのパイオニアを自負する。手間ひまがかかる割に採算ベースで一般の分譲マンション開発に比べて劣る点については「将来的には収益の柱に成りえる事業領域だ」と述べ、これまで大手不動産各社が及び腰だった建て替え事業に一層切り込む構え。今回のプロジェクトでは150億円程度の売り上げを見込んでいる。


公開日: 2012年3月7日