三井不動産が横浜市で開発を進めていた「横浜三井ビルディング」が2月末に竣工し、ほぼ満室稼働でスタートを切る。地上30階、地下2階建て延べ9万355平方メートルの複合ビル。5~30階が賃貸オフィスで、1階にカフェや飲食店を誘致する。2階には「原鉄道模型博物館」を今年の夏にオープンする。
オフィスの基準階は約560坪の整形無柱状態とした。日立製作所が横浜エリアのグループ会社を集約して入居するほか、富士通ネットワークソリューションズが本社を構える。また、15階には新産業創生施設や横浜国立大学の「未来情報通信医療社会基盤センター」が開設する予定。
震災対策では、制震装置の採用に加えて地震発生後すぐに安全性を確認する「被災度判定システム」を導入した。72時間対応できる非常用電機や生活水も備え、店舗や鉄道博物館への来館者を想定した備蓄品なども確保している。
性能評価システムの「CASBEE横浜」で最高ランクを取得。今秋からは、経済産業省の次世代エネルギー・社会システム実証事業にも参画しており、国内で初めてオフィスビルでの電力需給調整に関する実証を2014年度まで実施する予定。