住宅着工2割増の8.3万戸、2年半ぶりに貸家3万戸を回復/国交省調べ7月

 国土交通省が8月31日に公表した7月の新設住宅着工戸数は、前年同月比を21・2%上回る8万3398戸となった。4カ月連続して前年同月を上回った。8万戸を上回るのは08年12月以来2年7カ月ぶり。

 震災の影響で低下したマインドの回復や、住宅エコポイントの着工期限を迎えたことの影響も考えられる。季節変動を考慮して年率戸数に換算すると95万5000戸となり、リーマンショックを受け住宅着工が急激に落ち込んでいた09年1月以来2年半ぶりに90万戸を超る水準となった。

 持家、貸家、分譲住宅ともに前年同月を大きく上回った。2カ月連続して前年割れの続いていた持家は3万2382戸(前年同月比19・1%増)で、2年10カ月ぶりに3万戸台を回復した。

 貸家は、2カ月連続して前年実績を上回り3万464戸(同18・5%増)となった。貸家が3万戸を超えるのは、2年半ぶり。

 国交省では「震災の影響で一時中止しいた案件を再開するなど、持ち直しの動きが見られる。持家と貸家が大きく伸びるなど震災で大きく低下していたマインドも回復してきた可能性がある。加えて住宅エコポイントの着工期限をむかえ、8月以降の計画を前倒しストといった動きもあった」としながらも「雇用・所得環境は以前として厳しい。復興需要など慎重に見極める必要がある」と話し、今後の動向を注視する考えだ。


公開日: 2011年8月31日