化石燃料に頼らない住宅エネルギーシステムを開発 イデアホームグループ

 注文住宅などを手掛ける益田建設(埼玉県八潮市、益田秀一社長)などで構成するイデアホームグループは、外部からの電力供給に頼らない完全自立型を目指す住宅エネルギーシステム「イデアクリーンエネルギーシステム」を開発。埼玉・越谷レイクタウンに体験宿泊が可能なモデルハウスを27日に公開、販売開始する。

 イデアクリーンエネルギーシステムは、「住宅システムとして初めて採用した」(益田建設)高効率風力発電と、太陽光発電、蓄電池を組み合わせる。ガスや石油といった化石燃料を一切使わず、有害物質や廃棄物も出さない。高効率風力発電は、九州大学流体力学研究所の特許を元に開発した風力発電を、住宅向けにカスタマイズしたもの。直径3・5㍍の風車を使用して、定格出力3・5~5kwを発電できる。条件の良い地域であれば風力発電のみで必要なエネルギー量を確保できるという。

 風力発電に加えて、太陽光発電、蓄電池を組み合わせることで、条件にもよるが、外部からの電気・ガスのエネルギー供給をほぼ受けずに快適な居住環境が得られるシステムを目指す。風力、太陽光、蓄電池のそれぞれの発電・蓄電状況や各住宅設備の電力消費状況、室温、外気温を総合的にモニタリングして制御するオリジナルシステム「i-HEMS」も開発。出力が低く電力として期待できなかった従来の風力発電は制御システムの必要がなかったが、オリジナルのシステムを開発した。パソコンだけでなくスマートフォンでも操作できる。

 同システムを搭載した住宅商品「イデアホームTwiny」も開発。特殊な蓄熱材を使った蓄熱床暖房システムを搭載したほか、高性能排気循環換気システムを取り入れて室内の温度ムラによるエネルギーロスを減らす。

 イデアクリーンエネルギーシステムの価格は450万円。イデアホームTwinyは建物本体坪単価60万円から。


公開日: 2011年8月26日