S&P/三菱地所の長期会社格付けは安定的

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8月10日、三菱地所の長期格付け「A+」と短期格付け「A-1」をそれぞれ据え置いた。海外金融子会社の長期・短期格付けも同様に据え置いた。長期会社格付けのアウトルックは引き続き「安定的」とした。

 都心部に多数の優良賃貸資産を持ち、オフィス市況の低迷が続くなかでも都心部の市場平均を大きく下回り低い空室率(丸の内地区3.33%)を維持している点や、住宅事業と都市開発事業は、バランスシートの健全化に向け、投資回収の推進を図っていることなどを反映した。住宅事業の収益性は低迷し、今期は売り上げ計上戸数も大幅に減少する見通しであるものの、逆に仕入れコストの高い物件の割合が小さくなる見通しを踏まえ収益性は徐々に上向くとみている。

 ただ、都市開発事業は震災後の不動産投資市場の停滞により売却益を見込みづらいとし、収益性の回復に時間を要するとした。


公開日: 2011年8月11日