米系格付け会社ムーディーズ・ジャパンは8月3日、日本の証券化商品の主要な裏付け資産のパフォーマンスのアウトルックは、すべてのクラスで、今年4月から変更しておらず、消費者金融ABSとCMBS(商業用不動産担保証券)を引き続きネガティブとした。
CMBSは、向こう12カ月に償還が予定されているローン約5694億円のうち、信用力の高い約28%を占めるスポンサーの大型案件は堅調に借り換え・償還が進捗すると考えられるものの、高レバレッジのローンで、新規ファイナンス供給者が要求するレバレッジ水準と現状の水準に乖離があることから、リファイナンスが困難な状況が継続し、デフォルトローンの発生は当面継続する見込みとした。
また、オフィスビルの賃貸市況の低迷やホテル・商業施設といったテナントの業況悪化がキャッシュフロー減少や物件評価額の下落を招いて一部案件でデフォルト回収率や回収スピードが低下する可能性を指摘した。