不動産経済研究所が3月22日に発表した2月の首都圏マンションの発売戸数は、前年同月比24・9%増加の3468戸で2カ月ぶりの増加に転じた。契約率は前月比11・5ポイントアップし84・8%。14カ月連続で70%を超えた。1戸当たりの価格は4717万円(前年同月比1・2%ダウン)。販売在庫は、前月末から391戸減少の4725戸と5000戸を切る水準となった。即日完売物件は13物件・477戸あった。20階以上の超高層物件は、18物件・796戸で、契約率は95・4%(前年同月21物件・507戸、契約率70%)の高水準だった。
エリア別にみると、発売戸数は都区部1853戸、都下121戸、神奈川県775戸、埼玉県567戸、千葉県152戸だった。契約率では都区部が87・1%、都下64・5%、神奈川県76・9%、埼玉県93・3%、千葉県80・9%となった。
政策効果で需給ともに好調だったことが窺える。同研究所は3月の発売見込みを4200戸としている。
ただ、今後の販売活動は、東日本大震災の影響が懸念される。このほど竣工を迎えた「ブリリア有明スカイタワー」(総戸数1089戸)は、800戸売り出しに対して9割が契約済みだが、開発した東京建物は今回の震災を受け、契約者全員に案内書を送付して説明会を開催した。同社によれば引き渡しの延期の対応をしているという。
また、新日鉄都市開発など3社が東京・西大島で開発中の「ザ・ミッドランドアベニュー」(同457戸)は、19日に予定していた第1期販売(約150戸)を延期した。販売時期は未定だが、「そう遠くない時期に開始する」(新日鉄都市・広報)見込み。同物件は、19~21日の3連休のモデルルームも通常営業したが、現場販売担当者は「(震災の心理的影響や)計画停電などの影響でモデルルームの来場者は半分にとどまると想定していたが、実際にはほぼフル稼働状態だった」と話す。客足への影響は限定的だったようだが、震災前は商談スペースが空き待ちで列を成していたことを考えれば影響が皆無とまではいかないようだ。