首都圏中古マンションの住宅価格指数、東証が4月からスタート

 東京証券取引所は4月から、首都圏中古マンションの成約事例をもとにした住宅価格指数を試験的に配信する。東日本不動産流通機構(東日本レインズ)から提供を受けた40万件以上の成約事例をベースに、2000年1月時点の価格を100として月ごとの指数を算出する。指数の計算方法は、米国の代表的な住宅価格指数であるS&Pケース・シラー住宅価格指数と同様のリピート・セールス法を用いる。
 
 名称は「東証住宅価格指数」。首都圏版のほか、都県版(東京、神奈川、千葉、埼玉)も配信する。毎月最終火曜日に、2ヶ月前時点の指数値を東証ホームページへ掲載する。

 まずは最長3年間の試験配信として指数の安定的な運用を図る。試験配信期間中は指数に連動する金融商品の開発は行わず、第三者による金融商品開発も認めない。

 試験配信で指数の運用に問題がないと判断した場合には本配信に切り替える。その際には現在無償でデータ提供している東日本レインズと情報利用について再び協議する。

 東日本レインズでは、国土交通省の要請を受け、昨秋に設置した「住宅価格指数の開発・公表に関する検討チーム」で東証へのデータ提供について検討を進めてきた。

 指数の開発目的とレインズ事業との整合性などいくつかの課題が持ち上がったが、価格指数の公表に有益性が認められるとして3月4日の理事会で東証へのデータ提供を承認した。

 レインズの検討チームは今後、価格指数の公表が不動産市場に与える影響などをチェックし、悪影響が認められる場合にはデータ提供の中止も含めた措置を取る。


公開日: 2011年3月4日