伊藤忠都市開発は、蓄電池システムと電気自動車(EV)カーシェアリングを導入した業界初の分譲マンション「クレヴィア二子玉川」(総戸数51戸)を完成させた。太陽光パネルで昼間に発電した電気を蓄電池に貯め込んで夜間の共用部(LED)の照明に使用する。管理費に換算して1戸当たり月額1200円の電気代節約につながる効果が得られる。カーシェア用に1台導入した三菱自動車のアイミーブにも対応する。将来、入居者がEVを購入したことを想定して別に充電場所も設けた。カーシェアの電気代は走行距離で、入居者がEVを購入した場合は時間でそれぞれ利用者に課金する。
同社の親会社である伊藤忠商事は、EVの普及を念頭に置いてリチウム電池を手掛ける会社に出資を続けている。今回導入した蓄電池(24kwh・米国製)は、伊藤忠がデーター収集のために5年間保有する。実証実験の意味合いが強いプロジェクト。データー収集後は管理組合と協議して所有者を決める。
場所は世田谷区野毛2丁目。第1種中高層住居専用地域のため、規模は地上5階建てだが、都心部とは違い周辺に高層建築物がない環境を生かした。間取りは3LDKと4LDKで、専有面積が67~100平方メートル。エントランス部にモニターを備え、電気消費量などが確認できる。二子玉川駅から徒歩17分と少々歩くものの、環境意識の高い人の支持を受け、先月までに地元需要で完売した。中心価格帯は4800万円台。