S&P/住宅ローン証券減少で2010年格付け総額4年連続縮小

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は2月7日、同社が2010年に日本国内で格付けした証券化商品などの総額が前年実績を14.5%下回り2兆2531億円だったと発表した。4年連続で減少し、ピークの06年の4分の1に満たない。一方、合計格付け等の件数は、前年比9.2%増え71件となった。

 格付け総額が減少した主因については、新規格付け証券化商品に占める住宅ローン担保証券(RMBS)の割合が高いなかでRMBSが減少したことを挙げている。ただ、住宅金融支援機構によるRMBS発行額は高水準で、月次債の大型発行が継続しているとした。なお、資産担保証券(ABS)の実績は4年ぶりに増加に転じた。

 今後については、証券化による資金調達ニーズも引き続き低水準で推移するとして2011年も証券化市場の拡大は期待薄としたものの、過剰流動性を背景に資金運用ニーズが高まっていることを受け、海外での市場回復を契機に証券化に対する投資家の関心が徐々に高まり07年以降の縮小トレンドが変わる可能性を指摘した。


公開日: 2011年2月8日