住宅購入の際に「親からの贈与を自己資金として利用した」と回答した人の割合が、前年を1・8ポイント上回る18・2%にのぼることが(社)不動産流通経営協会(FRK)が毎年実施している消費者動向調査でわかった。同調査は今年で15回目。
調査対象は2009年4月から10年3月末までに住宅引渡しを受けた1064世帯。FRKでは、麻生政権下で新設された500万円の贈与税非課税枠(2009年)が贈与を増やした可能性が高いと見ている。また、今回の調査期間では、今年度税制改正で非課税枠が1500万円に拡大した効果を十分に拾いきれていないとして「次回の調査結果では贈与を受けた世帯の割合がさらに増える」と推測している。
贈与金額は、「親からの贈与」が860・7万円と前年比209・6万円減った。ただ、「親以外の親族からの贈与」は1525万円と前年比425万円増えている。非課税制度は祖父母からの贈与も対象となるため、非課税枠の新設によって高齢者から若年層への資産移転が進んだ可能性もある。もっとも「親以外からの贈与」の利用率は0・5%にとどまった。
実際に、贈与税非課税制度および相続時精算課税制度を利用したという回答は14・1%。内訳は、非課税制度のみの利用が10・1%、精算課税制度を利用したのは1・6%、両制度を併用したのは2・4%だった。世帯主の年齢別に利用率を見ると、「30~39歳」が最も多く17・6%、「29歳未満」でも13・0%となっている。