伊藤忠都市開発は、新生児や乳幼児を抱えている人の不安を払しょくする試みを始めた。病気やけがなど病後児保育などに対応し、安心して子育てができる生活環境を提供する。認証保育所と病児保育室、クリックモールとの連携システムを構築した分譲マンションを業界で初めて企画・開発し、今年３月に竣工した「クレヴィア京王堀之内パークナードⅡ」（総戸数63戸）に導入して病児・病後児保育対応型子育てマンションとして６月から入居者にサービスを開始した。

　マンション内に認証保育所と病児保育室、クリニックモールを併設することで実現。クリニックには、内科や小児科など５つの医院と調剤薬局が入っている。ウェブや携帯電話からの診察事前予約システムを導入したことで利用者は待ち時間が短縮できるほか、共通診察カードを１枚発行するだけでモール内の全クリニックの診察を可能にするなど利用者の利便性を高めた。地域の中核病院との連携によって調剤宅配や年２回の健康相談の実施、医療相談窓口の設置など医療体制の充実も図っている。

　また、健康機器の製造・販売のタニタと提携して分譲マンションで初めて血圧計や歩数計などとウェブアプリケーションを連動させた健康管理サービス「からだカルテ」を居住内に提供する。測定器を使うだけで数値が専用サイトの「健康グラフ日記」に蓄積され、了承の上で診察時に蓄積したデータを活用することができるほか、計測数値をグラフ化して体の変化や状態がパソコンや携帯電話からもチェックできるようにした。専用サイト内には食事分析やダイエット、健康レシピなど抱負なコンテンツを用意している。

　認証保育所（対象年齢0～5歳）は月～土曜日まで。預けられる時間帯は7時～20時までで、定員30人。病児保育室（同0～７歳）も月～土曜日までで、時間帯は9時～17時まで。定員数は４人。

　同社は女性の社会進出や社会情勢の変化に伴い、共働き家庭が増加していることに対応するとし、今後も病後児保育に対応できる保育室やクリニックが誘致できれば大規模物件を中心に積極的に導入していきたい考えだ。

　「クレヴィア京王堀之内パークナードⅡ」は８階建て延べ8032平方メートル。間取りは３ＬＤＫ～４ＬＤＫで、84～97平方メートル。８割が販売済みで、随時入居が始まっている。場所は京王相模原線の京王堀之内駅から徒歩２分に位置する。