リノベ費用、住宅ローンに一本化/ERIソリューションが開発

 日本ERI子会社のERIソリューションは1日、建築資金の出来高支払管理制度(エスクロー制度)を利用して、中古マンションの購入とリノベーション費用を一本化する住宅ローンを開発した。同日から受け付けを始めた。

 千葉銀行、八十二銀行と提携した。両行が取り扱うローンであれば、リノベ費用を含めた金額を住宅ローン金利で借りることができる(フラット35は除く)。神奈川を除く首都圏1都2県や長野県全域、茨城と愛知の一部で展開する。

 ERIのエスクロー制度は、建築主の建築資金を工事完了まで同社が保全し、工事の進捗状況に応じて工事代金の支払いを代行する仕組み。これまで新築戸建てで提供してきたノウハウを中古マンションのリノベーションにも活用する。

 具体的には、住宅購入者が金融機関から借り入れた資金のうち、工事資金に相当する金額を同社が信託口座に移管して内部解体時と工事完了時にリフォーム業者に支払う。購入者から受け取る事務代行手数料(工事請負金額の1%相当)がERIの収入となる。

 住宅の大規模改修は、融資額に見合った工事内容かどうかを判断できる体制が金融機関にないことなどから担保価値が認められにくく、住宅取得と同時にリノベーションを検討するユーザーは住宅ローンとは別に金利の高いリフォームローンを組むケースが多かった。

 この住宅ローンでは、ERIが図面や見積書を見て工事の適正さを判断し、住宅ローンが正しい用途で使われているかを途中で確認するなど担保価値を保証することで住宅ローンとの一本化を実現した。同社では、6月にも戸建て対応の商品をリリースする予定。


公開日: 2010年6月3日