ムーディーズ/住友不動産の格付けBaa2の見通しをネガティブに変更

 ムーディーズ・インベスターズ・サービスは23日、住友不動産の総額4200億円の社債を対象とした無担保長期債務格付け「Baa2」の見通しを安定的からネガティブに変更した。変更理由は不動産市場低迷の影響により、同社の収益やレバレッジが悪化しているため。景気回復に力強さもみられず、不動産市場の回復も緩やかなものになると予想され、収益やレバレッジの改善にも時間を要する可能性があるとした。
 
 住友不の営業利益の70%以上を占める賃貸事業については、09年12月末時点の単体ベースの既存ビル空室率は7・9%に増加(09年3月末5・1%)するなど09年第3四半期の営業利益は前年同期比で10%以上減少。東京都心のオフィス需要が低迷し賃料水準下落が続いていることを踏まえ、来期以降も収益面での下方圧力が続く可能性が高いとした。
 
 営業利益の20%前後を占める分譲事業は、開発コストが高騰した06―07年に用地取得を減速したこともあり、他社と比較すると堅調だが、当時の開発コスト増加や最近までの市場価格低下の影響自体は受けると分析している。
 
 これまで住友不は、過去数年間にわたって営業利益率20%以上を維持してきたが、今期の営業利益率は、主に賃貸と分譲の収益減少に伴い20%を下回る見通しとなっており、今後も数年間20%を下回る水準が続くものと予想。

 ただ、棚卸資産の削減や投資の抑制などを通じて有利子負債を適切にコントロールしていくとも見ており、11年3月期以降、レバレッジは改善傾向に転じると見立てている。
 
 市場環境の厳しさは続くため、今後1―2年以内にレバレッジを08年3月期前後の水準(調整後有利子負債/EBITDA16倍以下)まで改善できるかは不透明性が残るとし、住友不の格付け見通しが12―18カ月の間に引き上げられる可能性も低いとした。


公開日: 2010年3月23日