旭化成ホームズの住生活総合研究所はライフステージごとの生活時間分析を通して、住ニーズに関する変化について考察、調査報告書をまとめた。調査は同研究所研究員と伊藤史子・首都大学東京大学院環境科学研究科都市システム科学域准教授ら、学識者など8人が中心となって行った。
核家族の専業主婦世帯・共働き世帯、親同居の専業主婦世帯・共働き世帯それぞれが一日に使う家事・育児などの時間や食事時間、就寝時間の違いをアンケート調査などで傾向付けた。その上で、子どもの成長を時間軸としたライフステージごとにライフスタイルを比較・分析している。核家族の専業主婦世帯の専業主婦は長子の誕生~幼児期にかけて家事・育児に使う時間が急激に増え、娯楽や趣味、仕事に使う時間を圧迫する。
また、この時期は生活リズムが早まり、19時以前に夕食をとる世帯が7割を超える。しかし、夫の帰りが21時以降になる世帯も多いため、8割の世帯が夕食を分散してとっている。また、子どもが小中学生になる時期は夫の帰りが早くなる傾向が出てくるが、子どもが塾や習い事で帰宅が遅くなるため、夕食が分散する傾向にある。
このように、ライフステージの変化によって、夫・妻・子どもの生活リズムは変化する。この傾向は、個別に幅はあるものの、各タイプの世帯に共通した動きであり、住まいに対するニーズもそれに合わせて変化する。同社では、こうした住ニーズを満たしながら将来の家族の変化にも対応できるような家づくりが求められると結論づけた。
同社では、こうした調査結果を踏まえて商品開発に生かす。発売時期などは未定だが、すでに研究結果を反映した住宅商品の開発には着手しているという。