(社)全日本不動産協会(川口貢理事長)は2日、北海道札幌市の札幌コンサートホールKitaraで第44回全国不動産会議を開いた。北海道での開催は1987年以来2回目。会員や消費者など1500人が参加、大会決議の採択や渡辺淳一氏の講演などが行われた。
会の冒頭、北海道本部の瀬尾索夫支部長があいさつ。大会テーマである「自然と人との共存」について「国民生活の基盤である不動産業も意識していかねばならない」と指摘した。また「景気は停滞しているが、消費者本位の真のサービスを提供できるかどうかが苦境を乗り切るカギを握る」とサービス向上の重要性を訴えた。
川口理事長は「米金融危機で国内経済にも大きな影響が出ている。住宅・不動産業界の落ち込みが続けば状況はより悪くなる」とし、行政などに対し景気浮揚のための柔軟な施策を求めていくと語った。また業界としても「消費者が本当に欲しい情報を提供し、信頼されることが重要」と強調した。
大会では、政府・関係機関に要望するため決議を採択した。内容は(1)安全・安心の地域社会、まちづくりの推進及び居住環境の向上(2)少子・高齢化社会への具体的取り組みの推進(3)不動産市場活性化のための税制の実現。物価上昇などを受け、消費者マインドの落ち込みが顕著になっていることについても触れている。