住友不動産は5月14日、アナリスト向け説明会の中で、小野寺研一社長がJ-REIT上場に向けて再検討する余地のある趣旨の発言をした。同社は東京オフィスビルファンド投資法人の東京証券取引所での上場を計画していたが、一度、取り止めの方針を打ち出していた。当初の計画では、上場時に1000億円規模で、住友芝大門ビルや住友不動産築地ビル、住友不動産一ツ橋ビルなどを運用資産として組み込む予定だった。運用会社を一度解散しているので、上場の時期についての見通しは読めない。
足元の市況が悪い中、上場に踏み切る点について、みずほ証券の石澤卓志チーフ不動産アナリストは、「J-REIT市況は、回復基調が出ている。4月に入り、国内機関投資家や外資が参入し、価格に底入れ感がある。現在が底と考え、上昇基調に乗れるように思っているのではないか……」と話す。大手不動産会社でJ-REITに参入していないのは住友不動産くらいであり、上場した際のインパクトの強さ、注目度が高くなることを狙っているという指摘も。