ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1月28日、同社が格付けを付与した日本の証券化商品は前年比約30%減の総額約6兆円だったと発表した。CMBS(商業用不動産担保ローン証券)の格付け金額が大幅に増加した一方、ABS(資産担保証券)、CDO(債務担保証券)、RMBS(住宅ローン担保証券)の格付け金額は減少。ABSは前年度比約54%の減少となったものの、06年に実施した大型の事業証券化案件の影響を除けばABSは微増ながらも2%の増加を確保した。
同社の格付け案件を含め、なんらかの形で格付けが公表された日本の証券化商品は、8兆円程度になっていると観測。07年は、CMBSを除く全資産タイプで発行額が減ったことで、前年の12兆円弱の規模から9兆円弱にまで市場規模が縮小したとしている。
証券化市場が縮小した背景には、ABSでは消費者金融債を裏付け資産とする証券化案件の組成が停滞したことと、民間大手の金融機関のRMBSの発行が減少したことを挙げている。