ムーディーズ/三井不、菱地所、住友不の格付け見通し「ポジティブ」

 ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1月8日、日本の大手不動産会社に対する格付け見通しについて、最大手3社の三菱地所が「Aa3」、三井不動産が「A2」、住友不動産が「Baa2」でポジティブ、他の格付け対象の大手不動産会社(NTT都市開発・ヒューリック・興和不動産)が安定的であると発表した。
 最大手3社は、主力の賃貸オフィス市場を中心に収益力を強化すると同時に競争優位性を生かし、市場の中での地位をさらに強化していく可能性があると判断している。現状、賃貸オフィスマーケットはタイトな需給関係が続いていることから、ムーディーズでは、既存のアセットポートフォリオの賃料水準引き上げや新規物件の稼働を通じて中期的に収益力は増すと予想する。
 ただ、分譲住宅市場や不動産ファンド市場などの事業環境に不確定要因が出てきており、不動産業界全体の収益環境については注意深く見ていく必要性を指摘。財務内容も過去3、4年の間に改善してきたものの、最近の投資拡大によって有利子負債残高が増加傾向に転じている。


公開日: 2008年1月8日