その他
連載
弁護士・金子博人の重要判例ピックアップ(5)、最高裁が敷き引き特約に「有効」判決、実務上は敷き引き額と賃料との関係に注意(最判23・3・24)
【問題の所在】
敷引特約は、敷金を返還するに当たり、契約締結から明け渡しまでの経過年数に応じた額を資金から控除する特約のことである。個人借主のときは、消費者契約法10条により無効とすべしとする説も強く、その旨の下級審判例も相次いで出されるようになった。他方、借主は、その特約の存在を知りながら、あえて借りているのに契約を無効とするのは消費者を保護しすぎとの反対論も強く、最高裁の判決が待たれていた。 ...